
どっかで聞いたことあるようなタイトルで始まったぞ



この投稿でしょ



それそれ。でも、電卓は経理の必須アイテムだからいいとして、キーボードは・・・



あのとき、経理の三種の神器は、電卓、パソコン、会計監査六法ってことになったでしょ。パソコンのガジェットといえば、やっぱりキーボードが一番好きだし。



風が吹いたら桶屋が儲かる的な強引さを感じるけど、キーボード沼ということばも見かけるし、ちょっと聞いてみようじゃないか。



そうこなくっちゃ
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序章 〜アキバでキーボード屋さんに迷い込む〜
あれはいつの日のことだったろう。
何かの帰りに秋葉原をウロウロしていたら、キーボードをたくさん売っている店が目についた。もしかしたらキーボード専門店だったかもしれない。



キーボードってこんなに種類あるんだ・・・
キーボードでまず思い浮かべるのは鍵盤楽器だよねと思っていたけれど、その日は暇だったのか、ほんの気まぐれだったのか、入力デバイスのキーボードを見てみることにした。
たくさん売っているだけあって、値段も金額もピンキリ、いや値段と金額は同じ意味だ、とにかく価格の幅に驚いた。



あ、このキーボード、打鍵してるだけでめちゃくちゃ癒される
そうは思ったものの、買うという選択肢は微塵も思い浮かぶことなく帰路についた。
幾らだったかは全く記憶にはないけれど、とにかく高かったのだ。
ただこの時に何かに目覚めたのか、キーボードの見本がたくさんありそうな場所を見つけると、とりあえず触るのがルーティンになった。
徐々にキーボードの基礎知識が身についていった。癒しのキーボードは、なんか静かっぽいやつくらいに思っていた。



「静電容量無接点方式」という9文字熟語が覚えられず、最初の1文字目だけが印象に残ったのか
静電容量無接点方式ってどんなキーボード?



キーボードのキースイッチの方式は、幾らでも紹介しているサイトがあると思うのでここでは割愛したい



いきなり思い切ったな。
一応高いキーボードの魅力ぐらいは書いておいたら?



じゃあ、メメくん。軽く纏めといてよ



仕方ないなあ。表を載せとくか。下に行くほど高価になるよ。
種類 | 特徴 |
---|---|
メンブレン | ゴムドームが押されることで信号を送る方式。安価で静かだが耐久性は低め。デスクトップPCについてくるキーボードはこれが多い。 |
パンタグラフ | 薄型で打鍵音が静かだが、耐久性はメカニカルほど高くない。ノートPCのキーボードはこれが多い。 |
メカニカル | 各キーに独立したスイッチがあり、カスタマイズ性・耐久性が高い。スイッチの種類で打鍵感が変わる。赤軸とか茶軸とか青軸とか聞いたことあればそれ。 |
静電容量無接点 | 接点がなく摩耗が少ない。押下圧が軽く、スムーズな打鍵感。高価だが長寿命なのでコスパはそれほど悪くない。いわゆる一生物。 |



静電容量無接点方式は、押した時に独特のスコスコとした感じがするらしいね。触ったことがないのでわからないや。



それは残念。近くに展示品があるお店がなくても、セブン銀行のATMの押し心地が静電容量っぽいので試してみて。



そもそも僕の地球での姿はキーボードが使えず、全部音声入力なのだけど
初めて買ったキーボード ◆ Realforce 第1世代 91U NGO100


世の中には2種類の人がいる。人が与えてくれたものを満足して使える柔軟性の高い人と、人が与えてくれたものでは納得いかず拘りを追求する人。



凛香は後者だね



まあそうなんだけど、まさか会社で使う用のキーボードを自腹で買うとは思っていなかったよ。安いキーボードなら会社が貸与してくれるやつでいいし、こだわると万は超えちゃうから。



じゃあ、なぜ買うに至った?



きっかけは、確か当時業務の都合で2台のノートPCを使っていたのだけど、その2台のメーカーが違ってて、当然キーボードの配置も違って、タイプミスが頻繁しちゃって・・・



みんなそうじゃないの?



おっしゃるとおりなのだけど、2台のうちの1台がThinkPadで個性が強い上に、家ではMacを使ってて既にタイプミス問題と戦ってて、三者三様で無理すぎると思った。
購入したのは東プレのRealforceの第1世代の91U NGO100。当時は第1世代しか売っていなかったので、第1世代とは言わなかったけど。
残念ながら生産終了しているので、今はもう中古でしか手に入らない。
普通に考えれば新しいのを買うので何も困らないけれど、Realforceは世代によってスペースキーの幅が違っていて、第1世代が好きっていう人もいるらしい。



デスクが狭くなっちゃうのでテンキーなしを選んだよ



テンキーなしの方がちょっとだけ安かったという方の理由は黙っておこう。
取り外しはできないタイプのケーブルが付いていてUSB-AでPCと繋ぐ。



当時のキーボードはUSB-Aケーブルが主流だったよね。2台のPCに差し替えて使うの、面倒でなかった?



うん。ほどなくサンワサプライの切替器を買っちゃった



キーボードのケーブルを切替器に挿して、切替器のケーブルをそれぞれのPCに挿すんだね。
- 静電容量無接点方式で極上のキータッチ
- 静電容量無接点方式だから劣化が少なく長持ち
- 日本語配列 91キーレイアウト / テンキーレス
- 有線タイプ(USB-Aケーブル)でPCに繋ぐ。
- キー荷重は変荷重。小指側が軽くなっているので一般的に使いやすい。
- 昇華印刷でキーボードの文字がちょっとやそっとでは消えない
- 程よい傾斜も打ちやすさにプラス
やっぱりテンキーも欲しい ◆ Realforce 23U
2台のノートPCに加えて外付けキーボードを置くということでデスクのスペースを考えてテンキーレスを選択したものの、ひたすら数字を打つ作業があって心が折れた。
ノートPC自体のキーボードがテンキーのないタイプだったのでテンキーは貸与されていた。
仕方なく使ってみたものの、キーをものすごいスピードで打つという単純作業なんてRealforceの得意分野ではと思い始める。
せっかく良いキーボードがあるのに、ヘタレテンキーを使うなんて、屈辱。
3ヶ月くらいして、Realforceの唯一のテンキー 23U をオンラインでポチッとした。


キーボードは何年も悩んでやっと購入に至ったのに、テンキーは割とすんなり買ってしまった。



そういうのディドロ効果っていうんだよ
ディドロ効果 Diderot Effect
これまでの生活環境になかった「理想的な価値」を持つ新たなものを手に入れた際、その新たな価値に合うような関連するもので統一しようとする心理的傾向のこと。
ドゥニ・ディドロはエッセイ『私の古いガウンを手放したことについての後悔』の中で、ある日プレゼントされたガウンがあまりにも美しく、自分の家具や部屋に合わないため、あらゆるものをガウンに見合うような美しいものに買い換え始め、最終的に借金を背負うことになってしまったと語っている。
シマウマ用語集 ディドロ効果(抜粋)



Nintendo Swithを買ったらプロコンも欲しくなっちゃう感じ?



そうだね。純正プロコンしか選択肢を知らない場合はちょっと微妙だけど、HORIコンや中華コンじゃなくプロコンを選ぶのはまさしくそういうことだね。
会社で渡されたテンキーとは比べものにならないくらい使いやすく、入力ミスが減って、入力スピードも早くなったので、これは良い買い物だったと思っている、本当に。
初めからフルサイズのキーボードを買えばよかったのでは?という意見もありそうだが、数字だけひたすら入力するという作業ではテンキーのポジショニングもスピードに関わるので、テンキーレス+テンキーが最強。



人には勧めないけどね



凛香、今調べたらこのテンキーも生産終了しているよ



そうなんだよねー。でも安心して!
昨年(2024年)暮れに15年ぶりのRealforce 新作テンキーが発売されたよ。



旧作は白だけだったけど、新作は白と黒と2色展開になったんだね



あとキーマップ切り替えができるようなったのだけど、その話はまたあとで
- 静電容量無接点方式に魅せられているなら買って損なし
- 値段は1万円以上。テンキーにそこまで掛けられるのは、使用頻度が高い人か、本物しか許せない人
- 新旧共に有線タイプ(USB-Aケーブル)でPCに繋ぐ。
- キー荷重はRealforce標準の45g。特に問題ないと思います。
- キーマップ切替ができるようになった新作RT1(T1UX11, T1UX21)は使い方無限大
- 昇華印刷でキーボードの文字がちょっとやそっとでは消えない
在宅勤務でHHKBデビュー ◆ HHKB Type-S PD-KB820WS
2020年は新型コロナウイルスの影響で世界中の働き方が大きく変わった年だった。
その際たるものは「リモートワーク」の普及ではないだろうか。多くの企業が在宅勤務を導入し、自宅で長時間PC作業をする人が一気に増えた。



凛香も在宅ワークを始めたのはコロナからだよね



それまでは少なくとも日本で経理の在宅勤務なんて想像もしていなかったよ
在宅勤務は会社に行かないので、通勤時間は減るし、余計な交流も避けられる。
でも、長時間同じ姿勢でいるため、体の痛みを訴える人が増えた。
少しでも身体の負担が少ない環境で仕事をしたい、そう思った人々は在宅環境を整えるために、部屋、机、椅子、モニターにお金を掛けだした。
そして、キーボードにも目が向けられるようになる。
それまで、キーボードにこだわるのは、プログラマーや一部のタイピング愛好家というイメージが強かったが、リモートワークの広がりとともに、高品質なキーボードへの関心が高まった。
RealforceやHHKBが一般に認知されるようになった。
HHKBとRealforceの打鍵感の違い
HHKBとRealforceはどちらも東プレの技術で作られている。
どっちを買っても同じ。
キーについてのスペックを見ればそう思えるが、触った人の多くはこの2つの打鍵感が結構違うことに気がつく。
静電容量無接点方式特有のスコスコとした心地よい感触はどちらにもあるけれど、HHKBの方がより惹き込まれる感じがする。
中毒性の高さが違うといったらよいだろうか。
もう打ってみてとしか言いようがないが、どちらも触ったことがある人だと、どちらも同じくらい好きまたはHHKBがやっぱり好きに分かれる。
Realforceは紛れもなく最上級。でも最上級と異世界で繋がったところにHHKBが存在している感じ。
なぜこの差が出るのか理由がわからないが、そこには違いがある。



Realforceの打鍵感が上って人もいないわけではないと思うけれど、一般的にもこう言われているようだね
キー配列の違い ファンクションキーがない
その打鍵感で唯一無二の存在感を表すHHKBだが、一般人を大きく遠ざける要素がその価格以外にもある。



キー配列だね



そう。細かいところはさておき、ファンクションキーがない
ファンクションキーはほとんど使ったことがないという人はマウスを使っている時間が長い可能性が高いので、キーボードにそこまでお金を掛けようとなりにくい。
HHKBを買おうとする人の多くはファンクションキー問題と向き合うことになる。
デフォルト設定では、ファンクションキーを押したい時は普通の数字のキーとFnキーを組み合わせて押す。
たとえば、F1を押したい時は「1」+「Fn」



テンキーまで買った経理女子の凛香がどうしてHHKBを買った?



1DKに置いてる唯一のテーブル兼デスクが小さくて、キーボードがコンパクトなのは魅力的って思ったのと、この時プロジェクトに携わってる時間が長くて、数字より文字って感じだったからかなあ
CtrlキーがCaps Lockキーの位置にある



それよりも試してみたいと思ったのが、Caps Lockキーの場所にあるCtrlキー。Caps Lockって使ったことないどころか間違って押して迷惑と思ってたので、HHKBのこの配置がずっと気になっていた。



使ってみてどうだった?



これはめちゃくちゃ使いやすい
この位置のCtrlを押そうとするとホームポジションが崩れるという人もいるけれど、なるべく指に負担のないようにキーボードと付き合うには、このキーはこの指でしか押しちゃいけないという呪縛から逃れるべきだと思っている。もちろん、ホームポジションで基本の動きのスピードがついてからだけど。



凛香は鍵盤楽器を弾くからその辺は柔軟なのかも
キーマップを変更できる
ファンクションキーがないことに不便を感じる人、Caps LockとCtrlの位置は変えないでほしいという人の対応というだけではないけれど、HHKBの特徴としてキーマップ変更がある。
HHKBの「HYBRID Type-S」と「HYBRID」は、特別な機能を割り当てられた一部のキーを除いたほとんど全部のキーのキーマップをカスタマイズできる「キーマップ変更機能」を装備している。
アプリケーションをダウンロードしてPCでドラッグ&ドロップでキーの機能を変更できる。
キーの変更ができるアプリケーションというのはフリーソフトでもあったりするけれど、ここでのポイントは自分で作った設定がHHKB本体に保存されるところ。
アプリケーションをインストールするPCとキーボードを使いたいPCを別々にすることができる。



自宅のPCでキーマップを設定して、会社のPCにそのキーマップのキーボードを繋ぐことができるってことだね



アプリケーションは入れられないけれど、マイキーボードをつなぐだけならできる人って結構いると思うのだよね



HHKBマニアのみなさんが自分のキーマップを公開してるけど凛香は?



わたしはちょこっと変えたくらいだったので公開できるようなものはない
日本語配列でも刻印がアルファベットのみ
これは結構ポイント高いと思うのだけど、日本語配列でもかなの刻印がない。
かな入力をしている人は10%程度と言われているので、多くの人にとってはあの文字はいらないことになる。



確かにないとすっきりするね



もっとスッキリしたい人向けにHHKBは無刻印モデルもあるよ



凛香もそっちにすればよかったのに



アルファベットの刻印はなくていいけど、キーの数が省エネなHHKBで記号を正確に打てる自信がなかった
Type-SかBluetooth接続有りかで3種類に分かれている



現在購入できる静電容量無接点方式のHHKBのモデルは3種類。
メメくん、



はいはい、纏めたよ
モデル名 | 静音 | キーマップ変更 | Bluetooth接続 | USB接続 |
---|---|---|---|---|
Type-S | ||||
Hybrid | ||||
Classic |



凛香が選んだのはType-Sだよね



コロナ禍で試し打ちできずオンラインで買ったから、Type-Sがどのくらい静かなのかは未確認だったのだけど、静かな方を選んだ方が無難かなーと。あと真ん中の選択肢を選ぶと後悔しがちだから。



選びやすそうなのに



ある時、気がついたのだよ。値段的な魅力か性能的な魅力か、どっちかに振った方が満足感が高まるってことに。
2台目は真っ白 ◆ HHKB Type-S PD-KB820YSC



ん? これさっきと何が違うの



さっきのはカラーリングが白なのだけど、こっちは雪ってモデル



白と雪って同じに聞こえるけど



白はCtrlキーとかが灰色だけど、雪は真っ白なんだよ。綺麗。あと刻印の文字が小さめ



色違いで同じの2台買った?



家ではHHKB、会社ではRealforceだったけど、合わせたいなーと思って。



2代目じゃなくて2台目ってことだね
2台目が欲しいと思っていたものの、全く同じものを2台買うことに踏ん切りがつかなかった。
HHKBのカラーは2色、墨(黒)があったけれど、PC周りは白派なのでそれなら白もう1台の方が・・・
そんな中、朗報があった。HHKB「雪」モデル



朗報ってか罠では
こ・れ・は、、、真っ白で可愛すぎる。
特にデコレーションされたわけでもないキーボードを可愛いというのも不思議だが、可愛いのだから仕方ない。
今までの白を白と呼ぶことにちょっと引っ掛かりがあるけれど、まあよし。
これは買うよね。2台目のHHKBを購入した。
Bluetooth接続とUSB接続



Type-SとHybridはBluetooth接続だけど無線って快適?



わたし、キーボードは有線派なんだよね



確かにUSB接続にも○がついてるけど、Bluetoothの分も値段に含まれてるからもったいない



そう思って試してはみたよ。でもキーボードに給電する必要があるので、電池を入れて電源のオンオフをするなら、ケーブルを繋いでそこから電源を取る方がしっくりきた
普段Bluetoothで繋いでないので偉そうなことは言えないけれど、使ってみると、接続は難しくないし、安定してるし、4台までならスムースに切り替えられるし、スマホやiPadにも無線で接続できるからやっぱり便利。
持ち運んで使ってたら、わたしも無線にすると思う。
- 静電容量無接点方式で極上のキータッチ。これは神。
- 静電容量無接点方式だから劣化が少なく長持ち
- キー数60。テンキーレスでファンクションキーレス。だからコンパクト。
- キーマップを変更できる。配置を自分好みに。
- キー荷重は45g。HHKBはこれ一択です。
- USBでもBluetoothでもつなげる
- 昇華印刷でキーボードの文字がちょっとやそっとでは消えない
- 3段階のチルトで好きな角度に。
しかし、これで終わりではなかった



今日の話はここまで。リアルフォースもHHKBもどっちもいいキーボードなので、ぜひ触ってみて欲しい。いいなーと思ったらぜひ使ってみて。



格好良く纏めてるけど、ここまでのキーボードざっくり計算すると95,000円くらいだよね。計算間違ってる? それとも盛った?



相変わらず冴えてるね。実は今はRealforceに出戻りしたので続きがあるんだ。ただ、この2大キーボードの魅力は伝えたと思うのと、ちょっとテーマがズレちゃうので続きはまたいつか。



思ったより面白かったんで、かの方にもお送りするから、続きも早いところ、進めておいてよ
ちょっと言い訳



ところで、かなり久しぶりだよね。もうメメント経理やめちゃったかと思ったよ。



仕事が忙しかったり、翻訳ボランティアしたりで、なかなか手が回らなかったんだよね。細々とはやっていきたいと思っているので、気長に待ってて。



仕方ないなあ