Meme前回はパリのオペラ座バレエのチケットを取った話だったね





今日は作品と当日の様子の話だよ
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やっぱりガルニエ宮は特別
わたしが初めて見たパリ・オペラ座バレエはバスティーユでの「くるみ割り人形」だった。
その舞台の終わりに、クララを演じたドロテ・ジルベールが、オペラ座バレエ最高位のエトワールに昇格した。
当時のわたしはそのことに気が付かず、「今日は、それともバレエって、拍手が多いな」くらいに思っていた。
その後パリや東京で何度か彼女の舞台を見ることができた。
そして今回、パリのオペラ座ガルニエ宮で彼女が演じる「Le Parc(ル・パルク)」のチケットを入手した。
わたしはバレエはそんなに詳しい方ではない。
だから、タイトルに聞き馴染みのあるクラシック作品を自然と選んでいた。
そして、意外なことにガルニエでなくバスティーユに行くことの方が多かった。



パリのオペラ座は2つあるんだよね。
結構離れてるから間違えないように注意!
バスティーユ
ガルニエ宮
初めは、なぜクラシック作品をガルニエでやらないのか不思議に思っていたけれど、徐々にバスティーユの良さに気がつき、今ではバスティーユで観たいと思うようになった。そうなると、不思議に思っていたことすら忘れ、そういうものだと何となく思っていた。
今日見る「Le Parc」はクラシックでなく、コンテンポラリー。ガルニエでやるのは少し意外であったが、考えてみたらクラシックをバスティーユでやるなら、コンテンポラリーはガルニエになる。



クラシックは舞台セットが大きかったりキャパがあったりでバスティーユになりやすいって言うね



そんなわけで、ガルニエの客席に入るのはかなり久しぶりだよ
いくらバスティーユが好きと言っても、それは快適さであって、やっぱりガルニエの中の装飾は堪能したい。



夜20時開演なのに、19時過ぎに到着しちゃった



1時間前って早くない?



でもそれなりに人がいて、列も出来てたよ!
ちなみにオペラ座の外観は工事中だった。





それは残念



外観は中に入らなくても見れるから今回は別にいいよ
中に入れたのは40分くらい前。入り口で見かけたワインレッドのロングコートの女性が、クロークでコートを預けてコートと同じ色の素敵なドレスで現れた。
そう、ここはパリ・オペラ座。観客の1人1人も今日の主役なのだ。



凛香の服装は?



わたしは旅行者だし普段着だけど何か?
今回は図らずもいい席で見ることになった。ガルニエのいい席の風景を見る機会はそうそうないので、じっくり目に焼き付けたい。



ちなみに凛香がいい席と言っているのは一番上のクラスの席が「Optima」=ラテン語由来で最高を表すことばだからだと思われる。
まあS席ってことだね。
席の場所を案内される。劇場では階段をいっぱい上がる方が安い席になるけれど、今日はむしろ階段を降りた。
早く来たので、ほとんど誰も座っていない席を見ることができた。この深い赤とゴールドの組み合わせに伝統を感じる。


バスティーユ基準で見ると、狭い。通路などないに等しい。でも不思議と窮屈ではない。
ただ、これは開演してしまったらもう後から入ることは困難に思われる。
ガルニエと言えばシャガールの天井画も忘れてはいけない。


時間が余ってしまったので、館内を少しフラフラしていたら、くるみ割りの衣装が飾ってあった。かわいい。


Le Parc (ル・パルク) という作品
今回、Le Parc を見ることにしたのは、滞在期間中に行われていた公演だったというに過ぎず、元々興味があったわけではなく、何なら作品の存在すら知らなかった。
チケットを買う頃に、かろうじてコンテンポラリー作品であることを認識したくらい。
このまままま行って楽しめないこともないけれど、さすがにストーリーくらいは知っておいた方がいい。ちょっと予習しよう。
モーツァルトの音楽に乗せて、フランス式庭園を舞台に繰り広げられる貴族の愛の物語。愛に臆病なヒロインは男性の誘惑を頑なに拒むが、やがてはその愛に溺れていく。解放のパ・ド・ドゥのフライングキスが有名。
Le Parc(ル・パルク)というのは英語にすると「The Park」つまり公園という一般的な単語なので、タイトルを見た時にはなんら思い起こすことができなかったが、解放のパ・ド・ドゥとフライングキスというキーワードで、多少はこの作品を知っていたということがわかった。



あのエールフランスのCM、Le Parcっていう作品だったんだ💡
おぼろげながら多少の輪郭が掴めたところで、あとは当日を楽しむことにした。せっかく知らないのだから、何かを見逃すことよりも、初回でしか得られないワクワクに身を委ねよう。



旅行の準備に忙しくて、時間がなかっただけでは・・・
コンテンポラリーがクラシックを超える
30分前に中に入った時はガルニエの綺麗な赤と金の座席を見ることができたが、次第に空席はなくなり、やがて開演の20時となった。


静かに物語は始まり、貴族の男性たちと女性たちが戯れるように遊び、椅子取りゲームを始める。
トゥシューズの女性がこのように踊りに椅子を使うことは難しい。その自由さにコンテンポラリーの楽しさを感じる。一方でロココ調の華やかな世界は、少しクラシカルな雰囲気もある。
ずっとバスチーユ派だった思っていたけれど、フレームのような舞台が丁度いい具合に視界に収まり、否応なく期待は高まる。
舞台としてのガルニエの魅力はこの風景にあったのか。
クラシック作品の方がガルニエと相性がいいのではと不思議に思っていたが、こうしてみるとクラシックこそ広い舞台でしっかりとしたセットで華やかな群舞を行うにふさわしいように感じた。
広過ぎない距離感で男女が近づいていくのに、またその舞台が庭園であるというところに、ガルニエほどよい舞台はないかもしれない。
コンテンポラリーは、素人目に見ると、バレエっぽい何か、という印象をうけることもあるが、この作品は違った。パリ・オペラ座バレエが演じることを前提として振付師がその技術を余すところなくちりばめられている。
クラシックバレエの技術力と、躍動感を持って動き回ることのできるコンテンポラリーの強み。両方の良さのマリアージュ。
モーツァルトの音楽を使用していることも舞台に惹き込まれるひとつの要素となっている。音楽の力は偉大だ。
モーツァルトの曲がただ耳馴染みがいいというだけではない。この作品の時代である17世紀に合っていて、この作品のために書かれた曲だと言っても不自然さがない。
ドロテが演じるヒロインが華やかな衣装で現れる。言い寄る男性を巧みにかわそうとしている。バレエのこの独特のかわし方は絶妙にすり抜ける感じで、見ていてちょっと楽しい。
作品の途中でちょっと毛色の違う人物が現れる。庭園という舞台とその衣装から、庭師であると推測される。この庭師たちはストーリーの展開とともに場面ごとに現れ、それがちょっとしたアクセントにもなっている。この場面では音楽が少し変わり、その次のシーンでモーツァルトの世界に戻る。
女性たちはドレスを脱ぎ、軽やかな装いになる。男性たちも動きやすい服装になっている。幾つものカップルが恋愛あるいは恋愛ゲームを楽しむ。
気がつくと、ヒロインが1人になり、先ほどの男が登場する。ヒロインの心にも少しずつ変化が見えてくる。よい感じの雰囲気になってきたものの、越えてはいけない何かがあるのか、ヒロインは最後に抗ってしまう。
この作品には、出会い、抵抗、解放という3つのパ・ド・ドゥがある。
出会った時は少しコミカルさもあったふたりが、次のパ・ド・ドゥでは男女の関係に見えてくる。2人の距離が近づく。まだ抵抗しているヒロインだけど・・・。
また庭師が現れ、場面の転換を予測させる。
そして白いランジェリーのような、先ほどよりも更に薄手の姿でドロテが舞台に現れた時、
空気が変わった。
背中から首筋に掛けて電気が走る。
踊り出す前から、彼女はこれから愛に溺れていくのだろうということがわかる。
そして、有名な解放のパ・ド・ドゥにつながる。
滑らかな空を舞うような2人の旋回に目を奪われる。動いているのに止まっているような不思議な感覚。
何分くらい続いたのだろうか。
永遠と見紛う解放のパ・ド・ドゥは静かに終わっていく。クライマックスということばが相応しい、どこか高みに連れて行かれたようなそんな気分になった。
このシーンだけ切り取ってもとても素晴らしいものではあるが、葛藤を経てここに辿り着いたからこその想いのようなものは何にも変えがたい。
むしろ、バレエダンサーはアーティストであり、一瞬でスイッチを入れられるかもしれない。
観客こそ、ここまでの過程を歩んだ上でしか、得られないものがある。
程なく舞台は終了し、カーテンコールがあり、そして終演した。
ドロテ・ジルベールというダンサーに出会えたことをとても嬉しく思った。
くるみ割り人形で可愛いクララを演じて私をバレエ鑑賞の世界にいざない、そして、今、Le Parcにおける大人の女性のバレエでコンテンポラリーの可能性をこの上なく見せつけた。
この一度しかLe Parcを見たことがないし、ドロテがこの上なく素晴らしかったのかもしれないし、バレンタインの時期という恋人たちにとって特別な期間でそういうパワーが客席のどこかにあったのかもしれない。
でも、それらを差し引いても、クラシックバレエこそ最高と思っている人にこそ、Le Parcを見てみてほしいと思えるような、そんな作品だと思う。



とにかく凄かった



語彙力・・・
Le Parc まとめ
- コンテンポラリー作品だがクラシック的な要素もあり、コンテンポラリー初心者でも抵抗なく見れる
- モーツァルトの音楽
- クラシックバレエを見たい人でも満足できるバレエの技術力の高さが必要となるとなる振り付け
- 解放のパ・ド・ドゥのフライングキス
- エロティシズムの要素も強くとてもフランス的(ストーリーがわかりやすい)
- 途中に休憩がないので気持ちが途切れない
(付記) パリ・オペラ座 IN シネマ 2026 バレエ「ル・パルク」



ここまでで締めるつもりだったのだけど 記事を纏めるに当たって調べてたら映画館で上映することに気がついてしまった





ちょうどパリで公演が終わった直後だけど、この映画作品は2021年3月にパリ・オペラ座ガルニエ宮にて収録されたものなんだね。あ、主役の男性は凛香が推してるマチュー・ガニオだよ。



ガニオオオオ。今回ドロテに狙いを定めたけど、ガニオが引退してなかったらガニオの日も候補に入れてたよ!



それなら映画見れば?



ガニオのLe Parcを見たい気持ちもあるけど、まだ舞台の高揚感みたいなのが残ってて、あっちの方がよかったなって思っちゃいそうだから、今回はパスかな



目の前の観客と共に作り上げる舞台はその日だけの特別なものだよね
エールフランスのCM



うまく埋め込めるかわからないけど、2011年のエールフランスのCMを貼っておくよ



解放のパ・ド・ドゥ、うっとりするね。
僕も映画を見にいってくるので、今日はこのへんで。
次回はそろそろ経理の話かな。



(アン ドゥ トロワ)